日本の三大温泉をめぐる〜草津・有馬・下呂の魅力と楽しみ方〜

2024.12.05（最終更新2024.12.09）

日本は「温泉大国」として世界的にも知られており、その中でも特に「三名泉」として広く愛されているのが草津温泉（群馬県）、有馬温泉（兵庫県）、下呂温泉（岐阜県）です。
江戸時代から「天下の三名泉」として知られる三大温泉は、室町時代の詩僧・万里集九の詩文集に記され、その後、江戸時代の儒学者・林羅山によって「天下の三名泉」として広く知られるようになりました。
これらの温泉地は、それぞれが独自の歴史と魅力を持ち、訪れる人々を癒し続けています。今回は、これらの三大温泉の特徴やおすすめの楽しみ方を深掘りしながら、充実した温泉旅のアイデアをご紹介します。

草津温泉〜癒しと高原リゾートの魅力〜

草津温泉の特徴

日本屈指の温泉地である草津温泉は、毎分32,300リットル以上の自然湧出量を誇り、「恋の病以外効かぬ病は無い」と言われるほど高い効能を持っています。特に、pH値2.1の強酸性泉は強い殺菌力があり、肌や体を清める効果が期待できます。

標高1,200mの高原に位置する草津は、リゾート地としても人気があり、温泉街の中心にある「湯畑」は、昼夜を問わず多くの観光客で賑わうことで有名です。

草津温泉の楽しみ方

湯畑を見学：草津温泉の象徴である「湯畑」。夜にはライトアップもされ、幻想的な景色を楽しめます。
西の河原公園：広大な露天風呂があり、自然の中でリラックスできます。
温泉めぐり：草津には複数の共同浴場が点在しており、地元の人々に混じって温泉を楽しむのもまた一興です。

豆知識

草津温泉の湯治文化は古く、江戸時代から人々に親しまれています。温泉を長期間かけて少しずつ楽しむ「時間湯」は、草津独自の伝統です。

有馬温泉〜歴史と泉質が織りなす贅沢なひととき〜

有馬温泉の特徴

兵庫県に位置する有馬温泉は、1400年以上の歴史を誇り、日本最古の温泉地の一つとされています。泉質は珍しい金泉（含鉄・塩化物泉）と銀泉（放射能泉）の2種類。特に金泉は、赤褐色の湯が特徴で、体を芯から温める効果があります。

火山がない地域でこれほどの温泉が湧くことは世界的にも珍しく、有馬温泉は国内外からの観光客に愛されています。

有馬温泉の楽しみ方

金泉・銀泉を楽しむ：それぞれの特徴ある泉質を試してみましょう。
温泉街の散策：伝統的な建物が並ぶ湯本坂を歩きながら、名物の炭酸煎餅を味わうのがおすすめ。
歴史に触れる：有馬温泉資料館や瑞宝寺公園を訪れ、有馬の深い歴史を学ぶことができます。

豆知識

「金泉」の色は鉄分が酸化したもの。湧き出したばかりの金泉は透明で、その後空気に触れることで独特の赤褐色になります。

下呂温泉〜美人の湯と飛騨地方の魅力を堪能〜

下呂温泉の特徴

岐阜県に位置する下呂温泉は、「美人の湯」として知られ、pH値9以上の強アルカリ性泉が特徴的。この泉質は天然の石鹸効果を持ち、肌をなめらかにするだけでなく、保温効果も高いのが魅力です。

飛騨地方の中心に位置し、観光拠点としても便利な下呂温泉は、温泉と共に地域文化も楽しめます。

下呂温泉の楽しみ方

足湯めぐり：温泉街には複数の無料の足湯スポットがあり、手軽に温泉を楽しめます。
合掌村見学：飛騨地方の伝統的な建築を再現した合掌村では、昔の暮らしを体験できます。
地元のグルメ：飛騨牛を使った料理や、香ばしい五平餅などの郷土料理を楽しんでみてください。

豆知識

下呂温泉の名前は、平安時代の医師が「下留湯（げるゆ）」と名付けたことに由来しています。温泉の効能の高さから、多くの人々に愛されてきました。

三大温泉をめぐる旅プラン〜選び方とポイント〜

プランニングのポイント

三大温泉を効率的に楽しむには、旅の目的に合わせたプランニングが重要です。

三大温泉の雰囲気を味わいたいだけであれば、短期間で一気に三大温泉すべてを巡る方法も有ります。ただし、温泉の効果が身体に現れる『湯治』には一般的に最低でも2.3週間の期間が必要と言われており、時間やお金に余裕がある方は、長期間ゆっくりと滞在することがおすすめです。

温泉地	特徴	おすすめポイント
草津温泉	強酸性泉、リゾート地	自然湧出量日本一で湯畑が象徴的
有馬温泉	金泉・銀泉、歴史的温泉地	歴史と贅沢な湯治が楽しめる
下呂温泉	美人の湯、観光拠点	飛騨地方の観光とセットで楽しめる

数ヶ月かけて、三大温泉を巡ることが可能であれば、温泉の効果も十分に味わえることでしょう。